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8.6広島平和ミーティングのチラシが市の公民館に設置されます

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「ヒロシマの平和は本当か」
~なぜ世界は「ヒロシマの声」を無視するのか~

 4年目を迎えるこの行事ですが、参加者数を考えても8月6日に広島市内で行われる民間の行事としては最大のもので、真の平和を考える貴重な場として全国的に認知されて参りました。ひとえに心ある皆様のお陰です。この場を借りて感謝申し上げます。
  
この講演会をもっと広く、広島市民のみなさんに知っていただくため市内の公民館への設置を公民館を管轄する財団にお願いしたところ承認をいただきましたので、下記啓上書を財団に送付いたしました。

PDFで読みたい方はこちら→ チラシ広報応諾に関する啓上書.pdf
 
 
86広島平和報・第H240613-1号
 
啓 上 書
   
財団法人:広島市未来都市創造財団理事長 生田文雄様
(写)広島市長 松井一實様
 
8.6広島平和ミーティング実行委員会
平成24年6月13日
 
前略
貴財団に於かれては広島市民のために、諸施設の運用管理や学習・行事等の計画実行その他多くの施策遂行に邁進されておられることに、深く敬意を表するとともに、感謝申し上げます。
さて今般、前記実行委員会の開催する本年8月6日夕刻からの行事のチラシ広報に、貴財団からの御推薦を頂いたことを当委員会として高く評価いたします。またこのことについて深い感慨を覚えましたので、それを申し上げたいがために本書簡を認めました。
以降において私共の受けた過去の経緯と現在の感慨について若干記述致します。ご多忙中とは思いますが、御照覧賜れば幸甚に存じます。 草々
 

 
この行事は3年前の平成21年から開催され、開始当時、市長職に当たられていた秋葉忠利氏を始め「(財)広島市ひと・まちネットワーク」(以降、「ひと・まち」と略称)、諸マスコミ・メディア、在広諸団体を巻き込んでの「議論」が沸騰したのは御既承のことと存じます。
その余波もあり、一昨年は私共と広島市長及び「ひと・まち」との間に相当量の"質問""回答""抗議"などが書面にて取り交わされました。チラシ広報協力は拒絶されたままでしたが、これら書簡類の往復の中で以下に例示する市政上の問題点が明らかになりました。

1.開催の初年度に広島市長(当時)名にて、行事日程変更要請があったが、それは、某地方紙の記事中にあるわずか79文字の記載を唯一の根拠にして、それを行事招聘講演者の講演内容のすべてであると見なして行われたこと。そして、「市の行政思考と異なる」ことがチラシ広報協力拒否理由になった。これは、講演者に関して世上で流布された思想信条を問題視したことに外ならない。(思想信条による差別)


2.一昨年の第二回行事において、市長定例記者会見の席上で「開催を今始めて聞いた」にも関わらず、主催者である私共の人格まで非難するかの如き論難が披瀝された。被爆者や被爆二世・三世も参加する当委員会に対して、講演者発言が予見できない段階で「被爆者の心情」を盾にして「論難」に及んだことは看過できなかった。文書にて問い質したが、回答は「発言は仮定に基づく」とのみで一言の釈明もなかった。(予断と偏見による不当な人格攻撃と、急所を突かれた時の不誠実な自己正当化)

3.「ひと・まち」は台本のない、また主催者も知らない講演内容を執拗に問い質し、私共が可能な範囲で回答をしたものの、チラシ広報協力は拒否された。理由は、前項2.の市長会見発言への斟酌と、前年の日程変更要請での市長見解、及び「主催者から内容について明確な回答がなかった」「講演内容は昨年と同趣旨と思われる」であった。さらに、講演者本人より質問と講演内容についての説明がなされたのに、それに対して前記と全く同じ文言で返答したのは滑稽極まる仕儀であった。
他方、拒否を目的とした執拗な問い質しが、憲法21条2項の「検閲の禁止」に抵触することを最高裁判例(昭51・12・12)を引いて説明し、また単に「思われる」ことを拒否理由にしたことが憲法19条の「思想及び良心の自由」の侵害に当たる旨の質問を行ったが、法問題への回答は避けながら「公開している協力要件(筆者注:営利事業、政党活動、宗教活動でないもの)は原則を示している」と、唐突な新解釈を示して拒否を正当化した。このことは非公開の闇基準が存在するのを自ら暴露したようなものである。(隠蔽された検閲の実行と思想差別、その結果として、憲法15条の公務員の本質にも違背する違法性の自白)

4.「ひと・まち」の広報協力拒否が、地方自治法244条の言う「施設利用の不当な差別
の禁止」に当たることを抗議書面で提出したところ、その回答が「チラシ広報協力は
施設利用ではなく、便宜供与であるから同条の適用外」とした。突然の用語の創作による歪曲的法令解釈の"正当な"根拠となる法源が示されることはなかった。これは、公表されている前項の協力要件を自ら否定して、今後とも恣意的な協力・非協力判断を遂行する、と公言したに等しい。
平成23年以降もなお、市の担当部局がこの用語を維持していることは、今後の運用の「不平等性」「違法性」「恣意的判断」の根を残しているものと感じられる。尚、昨年からの貴財団発足に際して、チラシ広報協力が業務から外され、ホームページも消滅したことは、「ひと・まち」の"意図"が知らぬ間に継承されている恐れも感じる。(違法性の糊塗と法の歪曲)

-結語-
 
時系列的に過去経緯をかいつまんで記載して見ると、「ひと・まち」では思想傾向により、あるいは時の市行政に忠実か批判的かにより、広島市民を分別・差別することが日常的に実行されていたと私共は受け止めました。しかも、個々の指摘に対してその都度、反射的に、都合良く、整合性を無視して、法令や基準の無視や歪曲と改竄とも思える行為を行ったことは、市民の権利より行政幹部の意向を忖度することを優先させることに汲々とした業務遂行態度ではなかったかと、私共は疑念を抱きました。
このような過去の経緯がありながら、貴財団が不当とも思える過去の形態を継承されることなく、昨年及び本年と連続して当委員会のチラシ広報申請を公開要綱のみを判断基準にされたことは、広島市がようやく本来の民主主義根本原理の復活と強化の道に立ち戻られつつあることを意味するものであり、慶賀とともに敬意を表する次第です。もとより、民主主義の理念と憲法と法の原理は、市民に公正・平等な扱いを求めているのであり、例え市長といえども個人的思想から財団への容喙は許されず、またマスコミ・メディア報道や特定団体の思考・主義・主張、あるいは時の表層的風潮に影響されることがあってはなりません。無論、貴財団の理事や評議員の方々に様々な意見のあることは当然のことであり、私共が協力申請したチラシ等表現物の内容に批判心理を持たれる場合のあることは容易に推測されることですが、それでも貴財団が要綱を唯一の基準にして公正な結論を出されたことを、当委員会は高く評価していることを再度申し上げます。
私共も、市内で開かれる様々な行事に批判的心情を覚える場合のあることは事実ですが、それら行事を案内するチラシ等が公正な公開原則に基づいて市施設に設置されている限り、許可判断への批判や対象物の排除を意図した行動に走ることはありません。私共のチラシ等の表現物が過去の「ひと・まち」から不当な扱いを受けた時期においてすら、私共は他者の言論表現の自由を尊重して参りました。その大前提での批判の表明は自由なのですが、昨年、私共が貴財団から許可されて設置したチラシを、講演者の過去発言と思想を理由にして市施設から排除することを議会で要求された議員のおられたことは、今なお広島の言論世界を覆う陰鬱な空気の存在を暗示するものではないでしょうか。このような中にあっても、貴財団が今後も毅然として市民に民主主義の根幹を示されることを心から祈念する次第であります。
以上



本啓上書は下記の者達を私共の代表者として公平を期して公開提出をいたします。何卒 御了解願います。

8.6広島平和ミーティング実行委員長 蓼 征成(被爆二世)
平和と安全を求める被爆者たちの会 代表 秀 道広(被爆二世)
同 副代表 池中美平(被爆二世)
同 事務局長 岩戸美孝(被爆二世)